高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和2年6月1日発行 第75号

檀信徒の皆さまこんにちは。
大分は5月14日日に緊急事態宣言が
解除され6月からは小中学校の
一斉登校も始まります。

 

ウイルスという世界規模の
天災に私たちはどの様な
備えが出来るのでしょうか?

ジャータカ物語

お釈迦様の前世を書いたお話に、
ジャータカ物語というものが有ります。
今回はその中から鹿王のお話を
紹介させて頂きます。

 

その昔、鹿狩りと鹿肉料理が大好きな
ブラフマッダ王が治める国がありました。

 

王様は狩りの度に人々にお触れを出すので、
みな仕事が出来ず困っていました。

 

そこで村人たちは宮廷の草むらに鹿を追い込み
狩りがしやすいように閉じ込めました。

 

それを聞いた王様が城の草むらを見渡すと
黄金に輝くニグローダ鹿王を見つけ、
「鹿王だけは殺さない様に」
と家臣に命じました。

 

逃げ隠れの出来なくなった鹿たちは
死の恐怖におびえ、
中には疲れ果てて
病気になる鹿も出てきました。

 

そこで鹿王は毎日一頭の鹿を献上するので
無用な狩りをやめて欲しいと進言し、
認められました。

 

ある時、お腹の大きな雌鹿に
順番のクジが当たってしまいました。
雌鹿は赤ちゃんが生まれたら
必ず順番を果たすので、
それまで順番を伸ばして欲しいと
ニグローダ鹿王に懇願し、
鹿王が代わりを受け入れ
料理人のもとへ行きました。

 

その話を料理人から聞いた王様は、
心を打たれ鹿王と雌鹿の命を保証したのですが、
それでは他の鹿たちに示しがつかない事を訴え、
全ての鹿たちの安全を認めさせました。

 

更に鹿王は慈しみの心の大切さを王様に説き、
全ての四本足の動物、二本足の鳥、魚たちの
命の保証も約束してもらいました。

 

ところが全ての生き物の命を
脅かしてはいけないとのお触れが出てからは、
穀物を荒らす鹿たちがいても追い払う事さえ
出来なくなった村人たちは困り果てます。

 

その様子を見たニグローダ鹿王は
鹿たちに畑の穀物を食べてはいけない事を諭し、
村人たちには田畑に柵を作らず、
目印となる葉っぱを結び付ける様に
お願いをしました。

 

それからは田畑を荒らす鹿もいなくなり
真の平和が訪れました。

 

という内容で本編はもう少し複雑なのですが
以上があらすじになります。

 

ジャータカは子供向けの物語ですが、
多くの事を今の私たちにも
教えてくれているように思います。

 

先ず鹿たちが毎日一頭の仲間を
王様に献上した様に、
私たちは多くの犠牲と共に、
リスクの上に生活を送っている事。

 

そしてリーダーとて法や
世の中の秩序からは例外でなく、
逃れる事が出来ない事。

 

本当の慈しみと智慧の先に
共存が成り立つこと等です。

 

鳥インフルエンザや狂牛病など、
動物たちは未知のウイルスを持っています。

 

今回のコロナウイルスも
コウモリから発生したとも聞きます。

 

多くの死者や都市封鎖を引き換えにまでして、
犯してはいけない領域に
私たちは踏み込んでいく必要性が
本当にあるのでしょうか?

新しい生活様式

新型コロナウイルスを想定した
新しい生活様式を読んでいると、
人間関係が疎遠になりそうで、
少し寂しい感じがします。

 

テレワークやリモート会議などは
思っていた以上に機能し、
生産性も高い感じがしています。

 

コロナウイルスが蔓延してから
余り良いニュースは聞きませんが、
昨年と比べると自殺者が
随分と減少しているそうです。

 

理由は定かではありませんが、
家族が家にそろい、
会話が増えたのが原因と
説いていました。

 

だとすると解除後に生活が困窮しながら
働いている時がピンチかもしれません。
人間が一人では生きていけない事も
コロナは教えてくれました。

講習会を再開します。

日 時 7月8日(水曜日)14時から
演 題 「お釈迦様のお悩み解決方法」
場 所 金剛宝戒寺本堂に於いて
住職がお話をさせて頂きます。

お便りの内容と重なるところもありますが、
三密を作らない様に心がけながら
講習会を再開したいと思います。

 

令和2年6月1日発行 第75号

編集後記

コロナに罹らない生活様式も大切ですが、
武漢風邪に罹っても負けない心と身体作りの方が、
健康寿命も伸ばし、よりポジティブではないかなどと、
ふと思いました。  
合掌

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