高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和3年7月1日発行 第88号

檀信徒の皆さまこんにちは。
気がつけば一年の半分が
通り過ぎていました。

 

コロナ禍の影響か、
これまでの人生で一番早い時間を
過ごしている様な感覚です。

池江璃花子選手

さて、このお便りを書きだした六月の中旬。
東京オリンピックは開催の方向で動いているものの
まだ決定には至っていません。

 

その賛否はここでは書きませんが
注目されている選手の一人に
池江璃花子選手がいます。

 

池江選手は2000年7月4日生まれの20歳。
身長171センチで腕の長さが186センチ、
足の大きさが26.5センチと大変恵まれた身体で、
個人種目では11個、リレーで五個の日本記録保持者です。

 

自宅のお風呂場での水中出産が象徴するように
幼少期から水泳の能力を発揮し、
泳ぐたびに記録を更新。

 

2018年に行われたジャカルタのアジア大会では
6種目で優勝。2種目で銀メダルと
東京オリンピックでのメダルも期待されていた選手です。

 

しかしながら2019年1月に行われていた
オーストラリアでの合宿中に体調不良を起こし、
検査の結果、白血病であることを公表したのは
皆さんの記憶にも新しいことだと思います。

 

2020年に開催予定だった東京オリンピックは
断念し治療に専念をしていた池江選手は、
テレビの取材で「今、生きていることが奇跡。
人生のターニングポイントになった。」

 

「2024年のパリオリンピックを目指したい!」と
当初は語っていました。

 

その後、闘病生活に打ち勝ち、
私には想像すら出来ないようなトレーニングと
新型コロナウイルスの影響で、
東京五輪が一年延期されたことも重なり、
競泳女子400メートルリレーとメドレーリレーの選手として
東京五輪の選手に選出をされました。

 

そんな彼女を私たちは奇跡のヒロインとして見てしまいがちですが、
一つ違えば悲劇のヒロインだったわけです。

 

私が親であれば水泳と引き換えにしてでも
命を守ってほしいと祈ったことでしょう。
考えてみると奇跡には不幸や困難が同居していることが多く、
また宝くじが当選するみたいな
天から降ってきた様な奇跡の陰にも
問題や試練が寄り添っているのではないかと思うのです。

 

毎日の生活に四つ葉のクローバーを探し出すのではなく、
凹凸の少ない平坦に思える日常を送れることに
幸せを見出してこそ、本当の幸せに巡り合えるのではないかと思います。

 

また、池江選手が復帰後、
百メートルバタフライで優勝した時のインタビューが話題を呼びました。

 

「自分がすごく辛くてしんどくても、
努力は必ず報われるんだなんてふうに思いました」
(一部抜粋)

 

コメントの切り取りで記事を読んでしまうと
レースで優勝した結果から「報われた」
との表現にも聞こえてきそうですが、

 

その前後を読み取ると決してそうではないことが分かります。
もちろん優勝してなければコメントも違っていたとは思いますが、

 

復帰までの道のりを考えた時に、
今回のレースは特に自己と他者の競争ではなく、
結果に至るまでのドクターやコーチ、マネージャーや
応援してくれた関係者。

 

広い意味では共に泳いだライバルたちをも含めて
「報われる」と表現したのではないかと思います。

仏の智慧

仏の智慧の一つに自己と他者に違いを置かない
という考え方があります。

 

苦しみとは自己と他者を比較した時に姿を現します。
比較が無いところには現象のみが存在をすることに
最近気がつきました。

 

合理的を求められる資本主義社会の中で
比較はつきものですが評価は第三者に任せ、
他者の喜びを自分の喜びとし、
他者の苦しみを分かち合う仏の智慧が身につけば、
おのずと自分の苦しみも減り、
幸せが増えるのだと一人のアスリートを通して
考えさせられました。

大掃除について

令和3年7月31日(土曜日)
早朝 6時から一時間程度
本堂の大掃除と境内の草取り

コロナ禍ではありますが、
お盆前に本堂の大掃除と
境内の草取りを行います。
ご無理のない範囲でご参加ください。     
合掌

 

令和3年7月1日発行 第88号

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