高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和3年11月1日発行 第92号

檀信徒の皆さま、こんにちは。
気がつけば今年も残りも2カ月、
コロナウィルスに意思があるが如く
急に感染者が減ってきました。
このままの収束を願うばかりです。

10月の講習会「良書に学ぶ」

さて、10月の講習会では「良書に学ぶ」と題して
村上和雄さんの「生命の暗号」をご紹介いたしました。

 

私がこの本を手にしたのは今から25年くらい前ですので、
科学の進歩とともに少し内容が古くなっている所もありますが、
生命の神秘をお伝えするには良書と思い取り上げました。

村上和雄氏について

村上氏は筑波大学の名誉教授で
高血圧の黒幕である酵素「レニン」の
遺伝子解読を成し遂げた方です。

 

元々は農学博士でしたが、
研究過程において遺伝子工学なども取り入れ、
遺伝子研究にも尽力されました。

遺伝と遺伝子

皆さんは「遺伝」と言うと親から子、
もしくは隔世遺伝の様に祖父母から孫へなど
肉体的に伝えられるものをイメージするかもしれません。

 

私たちの肉体は約37兆個の細胞から成り立っており、
大まかにいうと水分が6割、タンパク質と脂質が1,5割ずつ位から出来ています。

 

その細胞一つ一つに遺伝子が備わっており、
遺伝子の主な働きは身体を構成するタンパク質を作り出すことです。

 

不思議なのは爪と心臓は全く似ても似つかわないのに、
それらを作り出す基本単位の細胞まで細分化する
と全く同じ作りの細胞が一方では爪になり、
他方では心臓を作り出しているのです。

 

全く異なる働きをする器官に見えても、
おおもとは同じで、全ての遺伝子や細胞には
あらゆる身体の一部になり得る要素を
持っているということなのです。

 

また「火事場のバカ力」の言葉の通り、
人間は時としてあり得ない力を発揮したり、
一晩で髪の毛が真っ白になってしまことがありますが、
これらも全て遺伝子の仕業と言えます。

 

つまり遺伝子が爪になるスイッチを、
心臓になるスイッチを、
通常では考えられない力を発揮したり、
髪の毛が一気に白くなる細胞のスイッチを
オンにすることで変化を起こしているのです。

物事の二面性

それでは良い遺伝子をオンにし、
悪い遺伝子をオフにするためには
どうしたら良いかと言うと、
物事には必ず二面性があることに
気がつく事が重要であると述べています。

 

例えば病気になるという事は
負の面ばかりに目が行きがちですが、
人の優しさや、お蔭、縁、他力に目が向く
きっかけを作ってくれることがあります。

 

また望まぬ事故や決別も、
大事故になる前に抑えることが出来たり、
謙虚になるきっかけを与えてくれることがある
という事を知るのが大切だと述べています。
この様な考え方が、遺伝子のスイッチを
望ましい方に入れると共に生活を豊かにすると
氏は述べています。

大いなる存在、サムシング・グレート

そして最後に科学による遺伝子暗号の解読は素晴らしいけれども、
研究を重ねていくと、それ以上にこの遺伝子暗号を書いた存在に
畏敬の念を感じると述べています。

 

なぜならば科学はクローン技術などにより
生物のコピーを作ることは出来ても、
未だに大腸菌一つでさえ生み出すことが出来ないからです。

 

大腸菌の構成要素は全て分かっていても、
そこに命を宿すことが科学には出来ないのです。
氏はそこに「大いなる存在」を感じ、
「サムシング・グレート」と呼んでいます。

編集後記

講習会のご案内
12月八日(水曜日)14時より
演題 「良書に学ぶ」

サムシング・グレートとは、
「いのちの親の親、その親は生命の親の様な存在です。」

 

既存の言葉でいうなれば神や仏、
当に大日如来そのものです。

 

若かりし頃、科学の世界に
神仏の存在を感じ取ることが出来、
嬉しくてページを進ませていたのを思い出しました。

 

令和3年11月1日発行 第92号
境内は金木犀の香りに満たされています!

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