高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和3年12月1日発行 第93号

檀信徒の皆さま、こんにちは。
あっという間に年末がやってまいりました。
今年はコロナに追われ、例年よりも早い一年だったように感じています。

梶原イツ子さん

8日の講習会に先立ち、梶原イツ子さんに
「人生と信仰」と題してお話をして頂きました。

 

梶原さんは数え年で97才になるお寺のお檀家さんです。
月参りの後にして下さるお話に、いつも感銘を受けていたので
コロナの収まりつつある11月に思い切って講演をお願いしました。

 

梶原さんは7人兄弟の5番目に生まれました。
時代的にも誰もが貧しい中、親の信仰を受け継ぎ、
結婚してからも嫁ぎ先、自分の家の先祖を大切に思い、
守ってきたそうです。

 

そんな中、家業となる温泉の源泉と水源を
ご両親の命日に掘り当てて何不自由なく
全てが思う様に生きてきたとお話してくださいました。

 

しかし、私が月参りで伺っているお話では
多くのご苦労や病気などもあったようです。
只、それらも一生懸命の努力の上に、
ご先祖様や仏様のお蔭をいただいて
不思議なほどに救って下さった
というのが実情のようです。

 

参加者で梶原さんの事をご存知の方からも、
ご主人を助けた本当の働き者と聞いています。

「人は何のために祈るのか」

講習会「良書に学ぶ」では、
科学者の村上和雄さんと
宗教学者の棚次正和さんの共著
「人は何のために祈るのか」をご紹介しました。

 

村上さんは先月ご紹介した
「生命の暗号」の著者でもあります。

 

本書では「願いや願望」「心の平安」なども
「祈り」として幅広くとらえています。

 

そして鳥が空を飛び、魚が水の中を泳ぐように
大脳が発達した人間にとっては
「祈ること」が鳥や魚のそれらと同じように
極々自然な行いとして考えています。

 

まずは、祈りの効用として心臓病患者393人による実験で、
他者に祈られた患者はそうでない患者よりも
人工呼吸器や抗生物質、透析の使用率が少ないこと。

 

病院に近いグループからの祈りも
遠いグループからの祈りも
同様な効果があったことや、
患者が祈られている事すら知らなかったことから、
プラシーボ効果と祈りの違いなどを説明しています。

 

他にも祈りと宗教は別物であり、
無宗教であっても祈ることは可能である。
けれども祈りの無い宗教は存在せず、
立派な教義だけでは心の平安や
人々救うことは出来ないと断言されています。

 

また報われる祈りと、そうでない祈り方の違いとして、
例えば未婚の娘が居た場合、
娘の結婚を祈るのではなく
娘が幸せな人生を歩むことを願ったり、
戦争に息子を送り出した母親は、
息子の無事と共に世界が平和になることを
祈ることが肝要と記してあります。

 

祈りとは「最適解」を導き出すので、
その矛先が間違わないよう、
私利私欲の願いではなく、
調和や平和に向かう願いを向けることが大切となります。

 

そして何よりも感謝の祈りを
日常に取り入れて欲しいとあります。
祈っていれば決して不測の事態が
起こらないわけではないけれど、
その事態が愚痴をこぼす資料ではなく
魂を成長させる教材になり、
苦悩の少ない人は長寿にもつながるとしています。

 

他にも様々な事例や、祈る方法が紹介されていますので
興味のある方は本書を手にしてみてください。

年末年始の行事予定

12月21日(火曜日)
年納め千巻心経 中止
12月31日(金曜日)
除夜の鐘つき 夜中の12時頃より

年始の行事

令和4年1月8日(土曜日)14時から
落語家 井上 博文さん
演目 「桃太郎」「幾代餅」

編集後記

熱心な願いは行動も変えます。
梶原さんは一生懸命だったからこそ、
今にして思えば全てが苦でも、
嫌な思い出にもなっていないのだと推察しています。

 

人生百年時代の先輩として皆さんと共に
私もお手本としたいと思いました。

 

本年も大変お世話になり有難うございました。
コロナの収束と来る年の皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。  
合掌
令和3年12月1日発行 第93号

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