高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

平成30年7月1日発行 第52号

檀信徒の皆さま、こんにちは。
6月18日の早朝に大阪地方を
中心に大きな地震がありました。
皆様のご家族、ご親戚で被災された方は
居ないでしょうか。
被害に遭われた方
お亡くなりになった方々に
お悔やみを申し上げます。

六波羅蜜行のススメ

6月の講習会では「六波羅蜜行のススメ」
と題して、特に「持戒」についてお話を致しました。
持戒と聞くと何か、いかめしく、堅苦しい様な
イメージがあるかもしれませんが
本来の語源では「戒」と「律」とでは意味が違い

 

「戒」は自発的に守る生活の規則(習慣性)。
「律」は日常生活を送る上で守らなくてはならない
他律的な規則になります。

 

今回は「十善戒」を取り上げて説明をしました。
「十善戒」とは
@不殺生A不偸盗B不邪淫C不妄語D不綺語
E不悪口F不両舌G不慳貪H不瞋恚I不邪見

 

の十個の戒めになります。
そもそも覚りを開かれたお釈迦様が
一人で生活を送るだけであれば
戒律は必要が有りませんでした。

 

しかし仏教を広め、教団が成立し
修行者や信者が増えていく上で
守るべき規則が必要となりました。

 

特にお釈迦様の入滅後は
その規範となる人がいなくなり
戒律を明文化する必要にせまられました。

 

漢字からも予測がつくかと思いますが
十善戒を現代的に解釈し簡単に記すと

 

@不殺生には相手を殺す事だけでなく
傷つける事(虐待)や無駄な食品の
廃棄なども含まれると思います。

 

A不偸盗は漠然とモノを盗むだけでなく
約束時間を破ることなども含みます。

 

B不邪淫は不倫をしないこと

 

C不妄語は嘘をつかないこと

 

D不綺語はおべんちゃら、軽口を言わないこと

 

E不悪口は悪口を言わないこと

 

F不両舌は二枚舌を使わないこと

 

G不慳貪は貪らないこと

 

H不瞋恚は怒らないこと

 

I不邪見は自分勝手な見解を持ち
善悪業報や輪廻転生などを否定した
考えを持たないこととなります。

 

いっけん、当たり前で簡単そうにも思えますが
「衣食足りて礼節を知る」と言う言葉があるように
人間の三大欲求に反する事柄も含まれるので
厳格に守るのは厳しい規則だと思います。

 

また人間の活動を三種類に分けた時
@ABは「身体」CDEFは「言葉」
GHIは「心」での行いと分類できます。

 

この「からだ」と「ことば」と「こころ」の
行いを仏様と同じくする事により
真言宗では「即身成仏」が
可能になると説いています。

 

具体的には身体で「合掌」をして
言葉に「真言」を唱え
心を「三昧地」(澄み切った清らかな心にする)
にすることになります。

 

身口意を守ることにより
一瞬でも仏様に成る時間が
多くなることを目的としますが
逆に完璧に守ることが難しい事も覚り
自分も相手も弱い存在であると認識して
相手を許す心を育むことに
繋げるのも一つの目標です。

 

十善戒を常に守り続けるのが
不可能であったとしても
その戒めを人生の羅針盤として
方向性を見失わずに持ち続けること
破った後には反省をして
軌道修正をする事が大切だと思います。

 

戒には習慣性と言う意味と共に
「気立ての良い」といった意味合いも
あるそうです。

 

仏教徒の目標は成仏すること
(覚りを開くこと)ですが
誰もがいつかは迎えるお葬式の時に
「あの人は気持ちの良い人だった、
気立ての良い人だった」
と周りの人から惜しまれる人間に成れれば
一つの成仏が完成されているのではないかと思います。

編集後記

8月の講習会は有りませんが
本堂の大掃除と草取りがあります。
時間のつく方はご協力をお願い致します。

8月4日(土曜日)朝6時より(約1時間)
本堂の大掃除並びに草取り

 

6月末にも関わらず
蝉の鳴き声聞きました。
大変蒸し暑く
昔には無かった豪雨も発生しています。
何も悪い事をしていなくても
自然災害の被害者にな
る方々もあり、季節が乱れても
せめて無差別な犯罪や事件
などだけは起こらない様にと祈る
初夏です。   合掌

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