高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和4年9月1日発行 第102号

檀信徒の皆さまこんにちは。
学生時代に買ったサザンオールスターズのアルバムの中で
(たぶん原由子さんの声だと思うのですが)
「暑かったけど短かったよね夏!」というフレーズが好きで、
お盆参りの途中に毎年一度は思い出します。

 

コロナ禍ではありましたが、お参りのお休みも少なく、
今年も無事に夏を乗り切ることが出来ました。
境内から聞こえてくる虫の音も変わってきています。

移り変わり

今年ほど世代の移り変わりを感じた棚経はありませんでした。
お盆のお参りは4人の僧侶で手分けをして伺っているのですが、
気がついたら私が一番の年長になっていました。

 

今回からお手伝いに加わってくれた新人さんは若干22才。
私も同じ年の夏からお参りに加えて頂いたものの、
あんなに素直に返事が出来ていたか?
落ち着いていただろうか?
と振り返ると、ただただ感心するばかりでした。

 

また私が新米であった頃に2,3歳であったお檀家さんが、
今年の夏に久しぶりに会うと、
傍らにはお嫁さんを連れてのお盆参りをしていたり、
出産のために里帰りをしているお孫さんなども居ました。

若さの魅力

若いという事は非常に素晴らしいことで
場合によっては経験値が少ない事さえも
武器になることがあります。

 

法事の席で若い方々に
「悩みや苦しみなどが在りますか?」と尋ねると
(本当に深刻であれば率直に答えられないことも考えられますが)

 

「いまは特別、悩み苦しみなどは感じない」との応えをもらうことが多いです。

諸行無常

お釈迦様は世の中が「一切皆苦」であると説かれ、
具体的には「四苦八苦」を挙げられています。

 

その話を彼らにすると「そうですね。今は老いも、病も死も考えません。
だから悩み苦しみが無いのかもしれません。」
と素直な意見をもらうこともあります。

 

お釈迦様の言うところの「苦」とは「身に起こる不幸」というよりも
「思う通りにならないこと」を言いますが、
若さにはそれらをも克服する勢いがあります。

 

お釈迦様の悟られた教えを「法」と呼びます。
「法」という漢字はサンズイに去ると書きます。
世の中は水が流れるが如く、
過ぎ去ることを体得するのが、
悟りの第一歩なのかもしれません。

 

そしてその事を仏教では「諸行無常」と言います。

 

真理の前では全てが平等ですので、
自分が良いと感じる事も、
悪いと思う事も常に移り変わっていきます。

 

「あいつの事は絶対に許さん!」
「私ほど不幸な人間はいない。」と思っている人も、
その事を知っているだけで人生の展開が代わってくるかもしれません。

 

今は悩み苦しみが無い方も仏教に少しでも興味を感じたら
講習会に参加してみてください。

講習会のご案内

日時 10月8日(土曜日)14時から
場所 金剛宝戒寺本堂において
演題「法話の会」

稲盛和夫さん

このお便りを書いている途中に
京セラの稲盛和夫会長の訃報が入ってきました。

 

私が若かりし頃、「仏教を法事や葬儀の為だけではなく、
どうすれば日常の生活に活かすことが出来るのだろうか?」
と考えていた時に稲盛さんの本「生き方」に出会いました。

 

ご存知のように稲盛さんは日本を代表する実業家であると共に、
天台宗で得度も受けています。

 

太平洋戦争後に入って来た欧米思想。
損得、メリット・デメリットからの思考でなく、
人としての善悪、利他の精神を大切にし、
それらを経営哲学に取り入れて
会社経営などにあたって来られました。

 

特に労働組合との話し合いには不可欠だったと書いてあります。
仏教を経営理念にまで取り入れることが出来ることに
強く感銘したことを覚えています。

 

今になって読み返すと、文字も小さく文章も堅い感じがしますが、
私自身、当時の悩みや苦しみから逃れるために何度も読み返し、
ノートに書き写しました。

 

最近では朗読でも発売されていますので、
まだの方は手に取ってみてください。
「短かったけど、色々とあった夏」でした。          
合掌

 

令和4年9月1日発行 第102号

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