高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和4年1月1日発行 第94号

檀信徒の皆さま、明けましておめでとうございます。
快晴の元旦を迎え気持ちをあらたにしています。
本年も宜しくお願い致します。

令和3年12月の講習会

さて、昨年の12月の講習会は「良書に学ぶ」と題して
「樹木たちの知られざる生活〜
森林管理官が聴いた森の声〜」
を取り上げました。

 

この本は副題にもあるようにドイツ人の
森林管理官が書いた書籍です。

 

これまでに取り上げた良書とは少し毛並みが違いますが、
生命の営みを考えた時に仏教的な要素もあると思い
紹介をいたしました。

 

また、作者の森林に対する愛情から、
樹木を擬人的にとらえて書かれている所が多々あります。

 

しかしながら読み終えてみると、
「動植物と人間を分けて考えるよりも
擬人的に考える方がむしろ自然なのではないだろうか?」と、
幼少期の気持ちを思い出す一冊でした。

 

皆さんは木々が会話をしていることをご存知ですか?
もちろん言語を使っての会話ではありませんが、
コミュニケーションをとっているそうです。

 

例えば害虫や動物などから危害を受けた時、
木は周りの樹木に危険を知らせます。

 

その方法は風を手段として警報ガス(エチレンなど)を
出しコミュニケーションを取るそうです。
その香りを感知した木々と襲われた樹木は
その天敵から身を守るために昆虫や動物が嫌がる
有毒物質を葉に集めるそうです。

 

警報ガスにより周りに知らせが届いている事をしっている動物は、
葉っぱに有毒物質を感じたら、直ぐ隣の木には移らず、
百メートル以上離れた木か、風上にある木に移動し食するそうです。
(風上に居る木にはガスが届いていないのを知っているので)

 

また、どんな種類の天敵に襲われているかも
香りの種類などにより情報を共有しているそうです。

 

他の方法としては非常にゆっくりではあるものの、
電気信号を使って情報の伝達などもしているとのことでした。

 

他にも、伐採され、切り株だけになった岩の様な木が、
数百年にわたり命をつないでいる事がありますが、
その様な場合は地中で根がつながり合って栄養分の供給をしたり、
根の先を菌糸が包みこみ、菌糸が媒体となり
栄養の交換をすることもあるそうです。

 

この様にして森の木々は利己的にならず共生をしています。
その理由は森を形成し、維持していくためです。
一本の木では台風などの風から身を守れなくても、
多くの木々が集まれば強風をしのぐことができます。

 

また影を作ることにより森全体の気温を下げ、
地面の湿度を保つことが可能となり、
夏場でも水分を確保することが出来るようになります。

 

これらは一例にすぎませんが、様々な方法を取り、
生命をつなぎ合っている事が紹介されています。

樹木たちの知られざる生活

ともすると、進化や進歩は人間だけがしているのではないかと
勘違いをしてしまいます。

 

しかしながら、人間よりも他の動植物の方が
生命の起源は古く、様々な自然災害などに立ち向かうために
長い時間をかけて変化し続けて今に至っていることを、
この本より再認識しました。

 

そして、こちらの都合から境内の植木などを剪定や伐採する際も、
「ひと言」声を掛けてから切るべきだとも思いました。

 

人間と森林などの共存が唱えられて随分とたちます。
けれどもそれらは人間の立場にたった共存であり、
共生では無いのかもしれないとも思いました。

 

もちろん無条件に木々や草木を伸ばすことは不可能ですし、
こちらの都合で切らせて頂くわけですが
「山川草木悉皆成仏」
(山にも川にも草木や全てのものに神仏が宿っている)
という日本独自の感覚を大切にすれば、
感謝や畏敬の念も違ってくるかもしれないと思い、
声掛けなども始めました。

2月の講習会について

日時 2月8日(火曜日)14時より
場所 金剛宝戒寺 本堂において
講題 「良書に学ぶ・運命を拓く」

これまでの講習会でも何度か紹介をしてきました
中村天風さんの書籍を取り上げてみたいと思います。

 

ストーブ、エアコン、など入れておりますが、
一年で一番冷え込む二月です。
暖かい服装でお越しください。

 

節分には星祭りのお札を御祈祷いたします。  
合掌

 

令和4年1月1日発行 第94号

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