高野山真言宗 清瀧山 金剛宝戒寺

令和2年3月1日発行 第72号

檀信徒の皆さま、こんにちは。
非常に残念ではありますが、
3月8日に予定をしておりました
巡回布教はコロナウイルスの
蔓延を防ぐため中止とさせて頂きます。

真言密教の基本と活かし方

さて、2月の講習会は
「真言密教の基本と活かし方」と題して
私がお話をさせて頂きました。
一年で一番冷え込む時期なので、
集まりが悪いと講師の先生に失礼と思い、
私が担当をさせて頂いたのですが、
子ども食堂の日と重なった事もあり
60名近くの方に参加頂きました。

 

密教と言うとその文字から、
秘密の教え、呪術や「まじない」
などを連想されるかもしれません。

 

しかしその様な観点から
秘密を説くのではなく、
秘密には二通りあり、
聞く立場の人間がそのレベルに達していないために
理解できずに秘密となっている「衆生の秘密」と

 

全てを明かすと誤解や危険が生じる為に
最初からは全てを明かさずに徐々に
師匠から弟子へと一子相伝的に伝える
「如来の秘密」の二点から秘密を説きます。

 

スポーツなどに例えると、
衆生の秘密は技術や精神力が
伴っていないためにコーチの言っている事が
理解出来ない事。

 

如来の秘密は体力や技術が伴っていないので
教えてしまうとケガなどをしてしまう恐れがあるので
順序だてて教える事。

 

と言い換えることが出来ると思います。
密教以外の仏教(顕教)では
菩薩道の実践に滅私利他や
忘己利他を説きますが、
密教では自利利他の精神を説きます。

 

また成仏についても、
顕教では成仏(悟る)する為には
三劫という果てしない長い時間を
要するとするとのに見解に対し、
密教では父母から頂いたこの身にて
悟る事が出来る即身成仏を説きます。

 

双方共にその神髄においては違いがないと
思いますが表現は大きく異なります。

 

ではどのようにして即身に成仏をするかと言いますと、
真言宗では私たちの存在を、
身体(身)と言葉(口)と心(意)に
分けて考えます。

 

その身口意の三業を清浄にすることによって
即身成仏が可能になると説きます。

 

身では印を結び、口には真言を唱え、
意では心を禅定にします。

 

もう少し日常に近づけて表現すると
仏さまと同じポーズ(仏さまの様な行動をとり)
仏さまと同じ言葉を発し、
仏さまの様に慈悲の心に集中すると
言い換えても良いのではないかと思います。

 

仏教学者の中村元さんは
善とは「人を傷つけず、人の為になることを人の身になって考える」
と言われていました。

 

それが仏道であり仏道の実践が
日常での即身成仏でもあると私は思っています。

 

話は変わりますが、月忌に伺うと
「自分がこんなにも年をとるとは思わなかった」
「年をとると何も良い事が無い」
といった言葉を聞かせて頂く事があります。

 

心情的には非常に分かりますし、
また軽々しく解るなどと言ってはいけないのかもしれません。

 

しかし私の目から見た時にはどんなに行動が遅く、
出来ることが減ったとしても
一生懸命に取り組んで生きている姿から
多くの事を学ばせて頂き、
そこには敬意しかありません。

 

世界でも類を見ない高齢化社会では
「お年寄り」が次世代のモデルであり
どの様に生きて行ったら良いかの目標でもあります。

 

「年をとったら良いことが無い」ではなく
「年をとっても良いことが有る」
と生きて頂くことが少子化にもつながるのではないかと思います。

 

決して容易な事ではないですが、
命を今世限りの事と考えずに、
魂的に生きて来世への課題を
一つでも減らしながら生きようと
心掛けた時に
「年を取っても出来る事」が
増えるのではないでしょうか。

4月の講習会

コロナウイルスの終息を願って
4月の講習会の予定をさせて頂きます。
場合によっては中止になるかもしれませんのでご了承下さい。

4月8日(水曜日)10時から
演題「お釈迦様の悩み解決方法」
場所 金剛宝戒寺本堂に於いて
住職がお話をさせて頂きます

ありふれた表現ではありますが
「明けない朝は無い」
という事を知っているのは
とても重要な事だと思います。        
合掌

 

令和2年3月1日発行 第72号

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